1783年オーベルカンフの工場が、ルイ16世により「王立」の称号を授けられたことを記念して、オーベルカンフが一流の画家であったジョン=バティスト・ユエに初めて下絵を依頼して作られた生地です。
以降、ユエが亡くなるまで、オーベルカンフとユエの黄金コンビは、絵画のように美しい人物柄のジュイを多数生み出すことになります。
このジュイ工場にとって記念すべき生地を、オーベルカンフの直系の子孫がトップを務めるCaal社が、家族に遺された下絵から復刻した中の一点です。
柄の大きさは中くらい、生地質は中厚よりやや薄手です。
オフホワイトの地に、ブルゴーニュワインのような、やや青みを帯びた赤の柄です。
職人が木づちを持って、植物柄の木版プリント作業をしているところ、銅版によるプリント作業中。プリントされた布が次々と折りたたまれている様子、息子を連れたオーベルカンフに挨拶をする職人たち。
ユエが下絵を描いている、または、彫り師にデザインを指示するユエの様子、野原にプリントを終えた布を広げている職人たち、その向こうの建物の上部から干されている数々の布。
1873年頃のジュイ工場の様子がいきいきと描かれていて、職人たちの服装、工具、工場の施設、ジュイの町の景色など、ノスタルジックなジュイらしい雰囲気と歴史資料としての面白さを併せ持つ素敵な生地です。
水彩画のように繊細でみずみずしいプリントに、そのまま額に入れて飾って、ジュイ工場当時に思いを馳せてみたくなる生地です。