トワル・ド・ジュイ美術館所蔵のコットンプリント(1792年)をもとに、Casal社が、2019年新作コレクションとして復刻プリントしたうちの1つです。
当時は木版でプリントした後、筆で手描きで、黄色や緑色を足して仕上げていたそうです。オリエンタルな植物柄とは異なるジュイ工場の柄の豊富なバリエーションを知ることができる1点です。
コクシグリュとは、16世紀フランソワ・ラブレーが『ガルガンチュア物語』の中で初めて語ったCoq(雄鶏)、Cigogne(コウノトリ)、Grue(鶴)が一体となった想像上の動物です。
18世紀ジュイ工場のジュイ生地が忠実に再現された「レ・コクシグリュ」の柄には、動物のような植物の妖精のような不思議な生き物が、空想の植物たちの間にユーモラスに配されていて、当時の人々の笑顔も一緒に浮かんでくるような生地です。
1792年といえば、1789年フランス革命勃発後、ルイ16世が処刑された年。世の中が大きく動き、人々が動揺していたであろう時代に、このようなユーモラスな柄がプリントされていたとは驚きでもあります。そんな思いも馳せながら、ぜひ素敵な作品作りに活かしていただきたいです。
生地質はやや薄手の中厚。柄もほどよい大きさで、使いやすい生地です。